編:大阪保育研究所
出版社:かもがわ出版
定価:1400円+税
乳幼児を持たない大人たちにとって、認定こども園は幼稚園と保育園の合体ぐらいにしか思われないが、その補助金や運営内容などは一読しただけでは複雑煩雑で理解し難い。
難解極まりない原因は、1)認定こども園には4形態があり、形態によって補助金の有無・補助金の出先が異なり(文科省と厚労省の管轄が一本化されなかった結果だが)、当然それが各園で決める選考や保育料に影響するということ、2)現在保育所には認可保育所と認可外があるが、認可外もこども園に認定されることになった。もちろん、補助金はどこからも出ないということ、3)保育は従来、児童福祉法に基づいて市町村が責任を持ち行ってきたが、認定こども園になった私立認可保育所は市町村の責任から外れることになったということ、4)保育所の入所は緊急度など各市町村が判断し保育所を紹介していたが、こども園は保護者と園との直接契約になっているということ、などがあげられると思う。
この制度の背景には、共働きが急増し、都市部を中心に全国で2万人が保育所の待機児童であり、一方で少子化による幼稚園の廃園という現状がある。親のニーズとしては、長時間保育や知的教育、異年齢との交流希望が多いため、今や幼稚園では「預かり保育」を全体の約7割(私立幼稚園では約9割、公立では約4割)以上が行なっているという。
一般的には、幼稚園は「教育」(文科省)で、保育所は児童福祉法に基づいた福祉(厚労省)と思われている。しかし、この本の「はじめに」によると、幼稚園も保育所も「養護と教育が一体」となって展開することが基本であると記されているという。いまでも、保育所の児童に対して偏見を持つ人は少なくないし、私立小学校受験ができないという話も聞く。親の就労の有無によって子どもが不利益を被るのは許されないし、現実幼稚園や保育所に通わせる親の願いもニーズも同じだ。
保育所か幼稚園の預かりか、こども園かという情報を使いこなし、子どもを預けなければならない親たちはたまったもんじゃない。子育てに必要な情報はこれだけではなく、情報を限られた時間で駆使しなければならない大変さがある。財政問題や待機児童解消、少子化による幼稚園の存亡にはなんらかの光になっても、とてもじゃないが子どもを産もうとか、もう一人産もうという気にはならないだろう。仕事のストレス、家庭のストレス、近所とのストレスを抱えているのだから、保育のストレスこそまず解消できる制度を望む!!