今週の本棚(書評)
話題の新刊、実用書やコミック、硬派な社会問題ルポルタージュなど、
幅広い本の書評・感想が読める本のサイト
新URL>>>http://www.janjannews.jp/
TOP 新刊紹介 書評 インタービュー 本のニュース


書評・ブックレビュー
トップ > 書評・ブックレビュー > 『戦略爆撃の思想』を読んで

『戦略爆撃の思想』を読んで

東海林文彦2006/09/06
旧日本軍が中国・重慶への計画的・無差別的な爆撃をした事実。このことを知る日本人はどれくらいいるだろうか?
NA NA NA

著者:前田哲男<br>
出版社:凱風社<br>
定価:4500円+税
著者:前田哲男
出版社:凱風社
定価:4500円+税
 旧日本軍が中国・重慶への計画的・無差別的な爆撃をした事実。このことを知る日本人はどれくらいいるだろうか?歴史的に有名な事実の陰で戦争という名を借りた残虐な行為が行われた事実を私達日本人はもっと知らなければならない。

 戦時中、世界中で沢山の戦略的爆撃が行われた。その中にはもちろん広島・長崎の原爆投下がある。広島・長崎に原爆が投下されたのは、他国が戦略的に優れていたからだけではない。日本が先立って爆撃をしていたしっぺ返しとも言える。語弊があるかもしれないが、やり返されても当然の事を戦時中日本人は行ってきたとも言えるからだ。

 本書の重慶爆撃の詳細を読んで、私は同じ日本人が行った行為について大変ショックを受けた。本来戦争とは交戦者同士の戦いであり、非交戦者である民間人を殺戮する事ではないはずだ。日本軍の重慶爆撃は交戦者と非交戦者の境界を無くしてしまった点において後々の広島・長崎の原爆投下に繋がったと言ってもいい。

 戦争は醜い。とあらためて感じさせられた。

 我々日本人は毎年終戦記念日になると、TVや新聞で「戦争を忘れてはならない」的な報道を目にするが、本来ならば戦争反対の思想は一年中365日常に心に刻んでおきべきである。それが日本人にとって当たり前の事なのだから。

 本書をより多くの方々に読んでもらって自分なりに事実を受け止め、将来について考えてもらえたらきっと素晴らしい未来が待っているのではと思った。
◇ ◇ ◇

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

[21221] 防空の効用と限界
名前:田中秀郎
日時:2006/09/07 01:43
重慶、ゲルニカ、広島と並べますと、いずれも
防空の備えがない場合、空襲が破滅的とも言える
被害をだすってことですね。

攻撃するほうが、それなりの意図を持って攻撃してきたら
十分な備えがないと、とんでもないことになる、
それを証明していると思います。

一方で、重慶爆撃のころ、中国大陸でほぼ無敵だった我が
航空部隊はたかだか、数年後には、すっかり米軍の防空網に
無力化されてしまいました。
ゲルニカで、圧倒的だったJV88(ドイツの
派遣した実験的な航空部隊)ですがは、当のドイツ空軍は、
イギリスを巡る戦いでは、根本的な欠陥
(航続力不足など)や、用兵の誤り、レーダー網の存在で
敗北しましたし。
あのB−29も、5年後の朝鮮戦争で、護衛なしでの爆撃行は
ソビエトのMIG−15ジェット戦闘機のおかげで、自殺行為
になってます。

最近ミサイル防衛関連でひさしぶりに「防空」がとりざたされてい
るわけですが、ないと、困る。でも十分なものを築くには莫大な
投資がいる、このややこしい「防空」について、きちんと考える
ために、このような本は貴重ですね。
【重要】休刊のお知らせ

最新の書評

  • 『「常識」の研究』の感想(真道哲)2009/12/23
  • 『ディズニー愛』の感想(杉谷友彰)2009/12/22

  • ネットニュース JanJan

    JanJanとは   Q&A   個人情報保護方針   ニュースに関するお問合せ   会社概要

    JanJanに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。全ての内容は著作権法並びに国際条約により保護されています。
    Copyright © 2002-2010 JAN JAN. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.