編・著:阿部達
出版社:現代図書
定価:2381円+税
日ごろ私たちが使用している野球用語を「英語では正式に何というだろうか」と思ったとき、テレビの前に置いて、すぐに参照できるのでとても有り難い。気付いた時にすぐに調べることが知識欲を満足させ、記憶にも結びつきやすいものだ。
著者が「まえがき」で述べているように「野球を通じて日米文化の比較研究ができれば」とはじめた大学のゼミナールでの授業が辞書づくりの基礎になっている。そのことは学生から飛び出した疑問や話が、項目に出ている気がする。例えばball hawkを見ると次のように説明されている。
1.守備範囲が広くて、とびきり守備の上手な外野手。e.g.Ichiro is a ball hawk.(イチローは守備範囲が広くて、とびきりの守備の上手な外野手です。)
2.お土産用に球場外の打たれたボールを拾い集める人。
イチローについての例文は、学生との対話から生まれたのだろう。relifaceは「救援投手の切り札、抑え投手、リリーフェイス、守護神」と説明され、マリナーズの佐々木主浩が九回で打ち込まれた例文を提示している。それを読んだとき、いつの試合かにあったような気がした。野球については各試合についてよく記憶している友に確認したくなった。
日本は「和製英語」が氾濫している。著者は「和製語」と「和略語」に区別して説明しているので、どこまでが英語であり、そして何が省略されているのかも分かりやすい。大リーグのテレビ中継を見ながら、音声だけはラジオの放送を聴く者もいる。そんなときに手元に置いて調べれるのに手頃な辞書である。
無いものねだりになりかねないが、ゲームやユニフォームなどの図解や写真も取り入れて欲しかった。
野球の試合を見ていると、野球用語は僅かしかないように思いがある。こうして一冊にまとめると、その多さにややびっくりしている。