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『ドメスティック・バイオレンスと人身売買』の感想

海老原里沙2004/08/19
人身売買なんて一昔前のことだと思っていた自分が恥ずかしくなった。同じ女性であるのに、国籍が違うだけで、こんな酷い目にあっている。
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編者:移住連「女性への暴力」プロジェクト 
<br>出版社:現代人文社 
<br>定価:1000円+税
編者:移住連「女性への暴力」プロジェクト
出版社:現代人文社
定価:1000円+税
 正直、人身売買なんて一昔前のことだと思っていた自分を恥ずかしく思った。同じ女性であるのに、国籍が違うだけで、こんな酷い目にあっている人たちがいるなんて。女性差別、外国人差別の根強さ、見えにくさを感じた。

 最近のニュースでは、外国人犯罪がよく報道されている。そして、外国人犯罪の増加が繰り返し唱えられる。しかし、本当に増えているのか。それが私には疑問だった。母数が増えれば犯罪の総数も増えるのは当然のことだ。しかし、なぜ罪を犯すのか。それを考慮する思考が日本人には欠けているように思われてならない。

 我々は、外国人が罪を起こしたことを責める。そして「外国人は危険、出て行け」という。しかし、罪を犯してしまったその原因は我々日本人が与えているのではないのか。彼らが日本にやってくるのは、グローバルに広がり続ける経済格差が原因である。さらに日本に来ても、配偶者から暴力を受けたり、覚えのない借金の返済に追われることになる。

 しかし法的な受け皿がないために、それらに従属せざるをえない。あまりに不当なその待遇から殺人を犯してしまった女性もいる。法制度や支援が充実していれば未然に防ぎうる問題であり、そうした努力を怠っている日本人の責任は大きいのではないか。その責任を無視し、犯罪だけを責める理不尽さに深い憤りを覚える。 

 日本人男性と結婚して日本に移住し、離婚後に在留資格を求める外国人女性に対し、役所の人は、国に帰ればいい、というらしい。彼女たちに子供があり、その子供が別の国で一からやり直す、ということの困難を考慮する力がないということは、我々日本人の外国人女性に対する想像力の欠如を物語っている。外国人女性は、我々日本人にとって、同じ国に住み、痛みを分け合う仲間ではなく、全くの他者でしかないのであろう。そして、その差別を利用し搾取する人間がいる。いたたまれない気持ちになる。しかし、人としての信念を持ち、闘い続けなければならないのだと思う。
◇ ◇ ◇

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