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『教育の自由はどこへ』を読んで

宜保幸男2007/02/14
東京都以上に政治権力の教育への介入が全国的に拡大強化されている。この教育実態は、戦後保守政治の教育の総仕上げの予兆である。
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著者:池添徳明<br>
出版社:現代人文社<br>
定価:1600円+税
著者:池添徳明
出版社:現代人文社
定価:1600円+税
 第1・2章は、教員の管理・統制を強化するため人事考課制度が導入され、いわゆる指導力不足教員や不適格教員や教委と校長の指示に従わない者などには、研修を名目にした現場からの隔離、人事異動で遠隔地に本人に不本意な異動、不当な処分などを強行したりして、学校現場に上意下達の徹底した管理体制が敷かれたことを明らかにしている。警察の介入した事件やその他の諸事案などの報道のあり方、都議会における一部政治家の追及、児童生徒をも利用する一部父母のいわゆる偏向授業決めつけ攻撃などの様子が記されている。

 第3・4章は、特に「国旗・国歌法」が制定された後の学校現場への「日の丸・君が代」の強制がますます強まっていることを述べている。こうした中で働く教師たちの姿がなまなましく報告されている。制定の時には、政府は「強制はしない」と答弁した。それにもかかわらず、このルポを読むと、教員の教育的自由裁量が認められない息苦しいまでの「非教育的な学校の雰囲気」がよくわかる。学校現場にとってもっとも尊重されなければならない「子供・父母と校長・教頭を含む教職員」相互の「信頼」を強権的な教育行政がいびつなものにしていることを強く感じた。

 とりわけ、都教委の「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」(通達・実施指針)は、細かいところまで指示をしており、教職員の教育指導に関する「自由裁量」を認めず、また第5章で指摘する「適正指導」という教師の強制によって生徒同士の助け合いによる創意工夫を排除し、教員と児童生徒たちの『内心の自由』を抑圧していることをはっきりさせている。

 第6章は「つくる会」の教科書を採択させるためのさまざまないやがらせが紹介されている。最終章の第七章には学校現場で働く教職員が多忙な雑務に追われてお互い力を合わせて助け合いながら仕事をする体制がばらばらにさせられ、せっぱつまった状態がつづいている。

 東京都以上に政治権力の教育への介入が全国的に拡大強化されている。この教育実態は、戦後保守政治の教育の総仕上げの予兆である。
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